30年後を支える礎と 経営感覚を自分のものに

大学院農学研究院 連携研究部門

高須賀 太一
TAKASUKA Taichi

研究課題
  • ゲノム生化学
採用年度 2014年度
30代で描くPI像を
北海道大学で実現

 米国Purdue大学生命科学部門でPh.D.を取得し、Wisconsin 大学Madison校の博士研究員時代に、北大テニュアトラックに応募しました。アメリカでは30代でPIとして独立した研究室を持ち、アカデミアでポジションを築いていくのが一般的なキャリアパスだと言われています。自分もそのイメージを思い描いて、アメリカよりも公募期間が早かった日本のテニュアトラック事業にいくつか応募し、北海道大学に採用されました。

農学部では自分の独立研究室を持たせてもらいました。既に二名のテニュアトラック研究者が農学部に配属されていたこともあり、三人で情報交換や協力しあえたことは非常にラッキーだったと思います。農学部は7学科ありますが、当初は自分たちの研究室は学生との接点がなかったために自分の研究室に人材を集めることができませんでした。それはまずい、と三人で当時の農学部長にかけあって授業を持たせてもらえるように交渉したこともありましたが、農学部はぼくたちの声に熱心に耳を傾けてくれました。

 

独立性を保った研究環境で
30年後を見据えた礎を構築

 アメリカ時代にお世話になった指導教員の方々を見て学んだことは、30代でPIとして独立し、70代くらいで自分の限界に向きあうまでの研究者としてのキャリアを長期的に思い描くこと。「あと20年、30年でどこまでできるのか」という自問はいつも自分の頭の中にあります。北大テニュアトラック時代は幸いにも、かなり自立性を保った環境で自分の研究に向きあうことができたので、とことん自分のペースで30年後を見据えた独自の研究の礎を築くことができたように感じています。

 ぼく自身が話好きな性格ですし、面白そうな人がいたらその人とご専門の研究を知りたいタイプなのでテニュアトラックメンバーであるかどうかを問わず、いろいろな科学者と知り合えたことも大きな収穫になりました。北大は「いつか共同研究してみたい」と思える魅力的な先生がたくさんいらっしゃると思います。

 

それはリスクかチャンスか
一人研究室で磨く経営感覚

 “大学”という組織の価値を上げられるような人材になるために必要なのは、経営者感覚だと思います。無論従来どおり、優れた教授がリーダーシップを発揮する“三人体制”でまったく問題のない研究室もありますが、ぼくたちのような“一人研究室”では研究費の配分や適材適所といったマネジメントの結果はダイレクトに自分に跳ね返ってくるため、なおさら自覚的にマネジメントをする必要があると感じています。何かイレギュラーなことが起きても、それをピンチととるかチャンスと考えるかは本人次第。テニュアトラック時代にそうしたリアルな経営感覚を身につけることができた経験は、今後の研究キャリアをしっかり支えてくれると確信しています。