研究環境・生活環境ともに 理想的な選択肢でした

大学院理学研究院 数学部門

跡部 発
ATOBE Hiraku

研究課題
  • 保型表現論
採用年度 2018年度
早めに動いた就職活動
異分野研究者との合同面接

 前職は東京大学大学院数理科学研究科の日本学術振興会特別研究員でした。任期は3年間でしたが、我々の就職活動は最低でも一年間はかかりますし、特に私の専門は国内では珍しい研究分野であるため、関心を持ってくれそうな大学は限られています。知り合いの先生からも「早めに動いたほうがいい」と言われ、任期1年にも満たない頃からJREC-IN Portalで情報を集め、北大に応募しました。二度目の面接ではおそらく、あえて異分野の応募者同士を並べて反応を見るという北大側の意図もあったのだと思います。医学研究院に応募された方と二人で面接を受け、互いの研究内容について質問しあう場面がありました。初めて聞く異分野の専門用語をその場で覚えて、なんとか質問をひねり出したことを覚えています。

四大誌の一つに論文掲載で
早期テニュア審査に合格

 採用後一つ想定外だったことは、自分の研究分野に近い阿部紀行先生が私と入れ替わりに東京大学に行かれたことでしたが、阿部先生が準備をしていた国際シンポジウムの主催者に私も加わることになり、L-Stationに報告したところ助成金を出していただき、海外から招いた研究者の旅費・宿泊費に充てることができました。北大の数学部門は助教でも独立研究室を持つことができ、全学共通の授業や演習科目の授業も担当します。当時卒論指導をした学生がそのまま修士課程に進学したので、今も引き続き指導を続けています。

 北大テニュアトラック制度には業績次第で3年度目に早期テニュア審査があり、私もそちらを受けて2021年から現職に就くことができました。テニュア職に認めていただいた背景には、北大に来てから本腰を入れて発展させた論文が、我々の研究分野では四大誌の一つと言われる“Inventiones mathematicae”に掲載されたことが大きいと思います。助教という立場にいながら研究に集中できる環境をいただけた証しなのではないかと感じています。

 

L-Stationのサポートを受け
満員電車のない札幌を満喫

 数学は1人でもできる学問なのでなかなか異分野融合は難しいかもしれませんが、知人から聞くところによると、京都大学の白眉センターではさまざまな分野の若手研究者による発表会が多数開かれているそうです。合同面接のときに肩を並べた医学研究院の方ともその後の接点がなかったことを思うと、テニュアトラック採用者たちの発表会がもう少し活発に行われてもよかったのかなと感じています。

 L-Stationのサポートは非常に大きく、大変お世話になりました。自分のプロフィール画像を更新したいなどの細かいことにも親身になって相談に乗ってくれて、いつも心強く感じています。総じて研究に集中できる環境と、食生活が充実し満員電車のない札幌の住みやすさを考えると、北大テニュアトラック制度を上回る選択肢はそう簡単には見つけられないのでは、という印象です。