小出 陽平
助教

採用年度
  • 2017年度
所属北海道大学 農学研究院
留学先ジョイネスセンター(平成29年7月5日~平成30年3月20日)

留学報告

私は、平成29年7月より約9か月間、イギリスのジョンイネスセンターにおいて在外研究を行いました。在外研究の目的は、エンリコ・コーエン教授の下で、植物の器官形成過程での組織の形状変化に関して、コンピューターシミュレーションを行うための手法を学ぶことでした。私はこれまで、上記のような計算機を用いることを主とする研究は行なったことがなく、今回初めて挑戦することとなりました。また、受入研究者であるコーエン教授は、植物の発生生物学の第一人者であり、そうした第一線の研究者が日々どのように研究活動を行っているのか、ぜひ見てみたいと思っていました。

受け入れ先の研究室では、食虫植物の捕虫器形成のモデル化に取り組みました。具体的には、顕微鏡下での観察により、捕虫器の組織ごとの生長率データを取得し、そのデータを利用して、捕虫器の形成過程をシミュレートするモデルを作成するというものです。本研究は、コーエン教授を始め、受け入れ研究室の研究員の方々と議論を行いながら進めることができ、現在は論文公表に向けた最終調整を行っているところです。その他、私の専門であるイネの研究についても、今後、共同で解析を行う目途を付けることができました。

本在外研究では、私自身がこれまでに行うことのなかった手法を、専門家の下で集中して学ぶことができました。このことは、自身の研究の幅を広げる上で、今後とても役に立つと考えています。また、コーエン教授からは、植物の生長モデルに関して、長年の研究経験に基づく独特の考えを学ぶことができ、良い経験ができたと考えています。さらに、研究室の全員が参加する毎日のティータイムや、教授の自宅でのホームパーティーなど、日本ではあまり馴染みのない方法で研究室のチームワークを高めていることを垣間見ることができ、とても興味深かったです。

本在外研究で苦労した点をあげるとすれば、渡航に関するビザの取得や渡航先での住居のセットアップ等、研究活動以外で想像以上に時間がかかってしまった点です。この点に関しては、事前の情報収集や準備が不十分であったと感じています。また、コンソーシアム内などで、このような事務手続きに関する情報共有をすることができれば、今後、若手研究者が海外で研究活動を行う際の事務手続きの省力化を図ることができるのではないかと思います。

今後は、今回新たに得られたネットワークや、新たに身につけることができた手法を利用することで、これまでの自身の研究をさらに発展させたいと考えています。