菊池 穏香
特任助教

採用年度
  • 2017年度
所属医学研究院・死因究明教育研究センター(オートプシーイメージング部門)
留学先マサチューセッツ総合病院(平成29年10月3日~平成30年10月1日)

留学報告

マサチューセッツ総合病院放射線科Cardiac MR PET CT programのリサーチフェローとして心臓を含む胸部CTを用いた画像解析のプロジェクトの一員として研究活動を行った。同プログラムのHoffmannグループでは生前画像データに加え、死後画像データを使用したプロジェクトがあり、現在の筆者の研究内容と一致していることから同施設で研修を行うことに決めた。具体的にはCTデータを用いて冠動脈や心臓をセグメンテーションし、機械学習、ディープラーニング、Radiomicsを行うためのプロジェクトに参加した。将来的に臨床応用する目的で多くのプロジェクトは動いているため、機械学習を行う上で人によるセグメンテーションの正確性は非常に重要である。1年間の研修中に、心電図同期下で撮像された心臓CTを用いたセグメンテーションにおいて人-機械の一致率精度を高める過程のところまで携わることができた。また、心電図非同期下の胸部CT(心電図同期CTよりも撮像される頻度が高く、汎用性あり。しかし、心電図同期より画質不良で機械学習などの難易度は高い)を用いたセグメンテーションプロジェクトにも参加、本プロジェクトでは共同研究という形で北海道大学復職後も継続することになり、現在、北海道大学医学研究院の研究倫理審査申請中である。セグメンテーションのプロジェクトは今後数本の原著論文が投稿される見込みであり、その共著者に加わるものと考える。死後造影CTデータを用いた冠動脈のセグメンテーションおよび病理情報を用いたRadiomics研究では共著者として現在論文投稿準備中である。加えて、筆者が研究立案し主導したプロジェクトはデータ整理および解析まで研修中に終えることができた。今後、研修先の論文共著者とコミュニケーションをとりながら、論文作成を行っていく予定である。最後に2019年2月にはDr. Udo Hoffmannを北海道大学に招聘することが決定している。先ほど述べた共同研究は筆者個人と研修先とのものであるが、Dr. Udo Hoffmann招聘時には北海道病院放射線診断科と研修先との間で共同研究につき話し合う予定である。

研修先およびハーバード大学それぞれへのcurriculum vitae含む資料提出は膨大なものであったが、トップ施設での研修生活は何にも代えがたいものであった。また、研修以外の生活でも、素晴らしい友人と出会うことができ、充実した日々を過ごすことができた。医学領域で海外研究する場合は最低2年あったほうが、様々なプロジェクトに関わることができるだろうし、筆頭著者としての研究もより質の高いものを行うことができると思う。また、受入先も基本は2年、1年だとあまりできないよとあらかじめ宣言してくることがあるかもしれない。本支援の範囲内において考えると筆者は現段階での自分の能力の範囲内でできる限りのことをしてこれたのではないかと考える。