鈴木 裕
助教

採用年度
  • 2018年度
所属北海道大学農学研究院・畜産科学分野
留学先カナダ、アルバータ大学、サスカチュワン大学(平成30年6月1日~平成30年9月29日)

留学報告

当プログラムを利用し、2018年6月~9月にかけてカナダ・アルバータ州のアルバータ大学で研究滞在しました。滞在先のLeluo Guan教授が率いるグループは、世界的な主要家畜であるウシの消化管内の微生物や生理現象について、オミクス解析を用いて研究を行っています。Guan教授は微生物学・生化学が専門ですが、Animal Science分野における有名人で、大変精力的に研究を展開されています。Guanラボではオミクス解析技術を習得しつつ、国際的に活躍する研究者の研究室がどのように動いているかを学ぶことを目指しました。

現地での研究計画として、消化管上皮幹細胞の単離・分取と、網羅的遺伝子発現解析を行い、生体内で幹細胞を維持・増殖させる機序の解明を目指しました。カナダは世界有数の畜産国であることから、優秀な研究者が多く、また多頭を用いた大規模な研究展開が可能である点が強みです。また、畜産業界も発展しており、業界団体と大学の強い協力関係や、一般消費者の酪農生産に対する意識が高い点も研究をフォローしていました。滞在中には動物からサンプリングする機会に恵まれ、上記の実験に取り掛かることができました。細胞分取のための新規マーカータンパク質を発見することができたため、帰国後も引き続きこの手法を用いて研究を続けており、国際共同研究として論文公表を目指しております。

また、研究生活面でも日本との違いを感じました。欧米の大学では一般的かもしれませんが、ポスドクや博士学生主体でラボが回っている環境や、テクニシャンや事務員による効率的なサポート体制、産学の協力関係について学ぶことが多かったです。個人的には、日本での大学生活と違い、多くの同年代の研究者に囲まれ、彼らの高いモチベーションに良い影響を受けることができたと思います。

滞在中にはアメリカ畜産学会への参加や、サスカチュワン大学獣医学部において講演する機会も得られ、学術的なスキルや人脈を広げることができました。動物科学研究の先進国で得られた経験を活かし、今後の研究に取り組みたいと思います。