挨拶

理事挨拶

優秀な若手研究者の活躍のための先駆的実績

山口 淳二
北海道大学理事・副学長
人材育成本部長

北海道大学では、平成19(2007)年度から文部科学省補助事業「若手研究者の自立的研究環境整備促進事業(2007~2011)」の支援を受け、5年間の活動を通じてテニュアトラック制度の基礎を構築しました。それに続く「テニュアトラック普及・定着事業(2011~2019)」では女性研究者限定の公募等ダイバーシティーに特化したテニュアトラック公募や部局テニュアトラック認定制度の導入により、テニュアトラック制度の全学的な普及・定着に努めてきました。

これまでの14年間のテニュアトラック事業により本学が得た財産は大きく三つあります。一つ目は“優秀な若手研究者の活躍”です。本学のテニュアトラック国際公募では国内外から多くの研究者に応募をいただき、難関を勝ち抜いて採用されたテニュアトラック教員を育成・支援してテニュア職に送り出してきました。テニュア教員として部局着任後の若手研究者は、研究教育で成果を挙げるとともに所属部局の諸活動で重要な役割を果たし、幅広く活躍しています。二つ目は“所属部局や研究領域を越えた若手研究者の交流”です。本学では全学統一でテニュアトラック制度の利点を活かし早くから部局横断活動に力を入れてきました。その結果、同期採用のテニュアトラック教員を中心とした部局を越えた交流が活性化し、それをきっかけとして共同研究に発展するなどの学際化につながりました。三つ目は“大学の国際化への貢献”です。本学で採用したテニュアトラック教員は、外国籍研究者の比率が高いことに加えて、日本人研究者でも半年以上の海外経験を積んだ研究者が多くいます。彼らは海外大学との協定締結や国際共同研究、異文化交流の橋渡し役として大きな役割を果たしています。

大学経営環境はますます厳しさを増していますが、研究人材育成は長期的な視点に立ち地道な積み上げが不可欠です。北海道大学は、令和8(2026)年度に創基150年という重要な節目を迎えますが、それに向けて改革戦略「北海道大学創基150年に向けた近未来戦略」(北大近未来戦略150)をまとめました。その中では「次世代を担う若手研究者などを支援・育成する」ことを計画骨子の一つとし、“若手研究者早期育成のための分野に応じたテニュアトラック制度の拡大”を掲げています。「北大近未来戦略150」を踏まえた第三期中期計画(2016~2021)においては、本学がこれまで培ってきたテニュアトラック制度をさらに発展させて、大学の研究力強化につなげてきました。今後、第四期中期計画(2022~2027)においても本学の若手研究者人材育成事業の一つの柱としてテニュアトラック制のさらなる活用を図る方針です。学内外の皆さまのこれまでと変わらぬご支援とご協力をよろしくお願いいたします。

事業実施責任者からのメッセージ

若手研究者の活躍で大学の持続的発展を実現

出村 誠
北海道大学人材育成本部
先端生命科学研究院 教授

本学が社会的責任を認識しつつ持続的な発展を遂げるためには、若い人たちの活躍が不可欠です。本学のテニュアトラック事業では国内外から優秀な若手研究者を採用して北大で活躍してもらうという流れをつくるために、テニュアトラック制度の全学的な普及・定着を推進しています。ノーベル賞受賞者の研究成果の多くは30代に行った研究とされており、北大のテニュアトラック制度はまさにその年代において研究に集中できる環境を手厚い支援体制で整えています。

本学のテニュアトラック事業では若手研究者の研究環境整備や育成・支援に力を入れており、特にテニュアトラック期間においては、OJT型プログラムの積極的な参加や高校での授業や市民講座などのアウトリーチ活動に積極的に取り組むことによるマネジメント能力向上を重視しています。また、若手研究者同志の異分野・異文化交流にも力を入れています。研究分野や部局を越えた交流により研究者の視野は広がりさまざまな気づきや発想が生まれます。ディスカッションのプロセスの中で共同研究の芽を見つけ新しい分野横断型の共同研究が生まれることもあります。

本学テニュアトラック事業では、異分野の研究者と積極的につながり、協調しながらもリーダーシップを発揮できる人を求めています。自ら挑戦する熱いマインドを持った人と切磋琢磨してこれからの北海道大学をともに一緒につくっていきたいと思います。